愛情注いでほしい

元東洋太平洋ライト級王者坂本博之*ん(40)

私は児童養護施設の出身で、施設の支援を始めて10年になります。その立場から見て、いまの現象は率直にうれしい。

支援の小さな輪が広がることは大切なことで、一過性でなく続けられることを願います。現状を知ってもらう意義もあります。いまの子は6割以上が虐待された子たち。心に傷を抱え、閉ざしています。

私は施設で生活し、ボクシングに触れる中で「愛情」をもらいました。だから私も「愛情」を注いでいきたい。いま「基金」を募り、ボクシングを通じ、子どもたちと触れ合っているのも、そんな思いからです。

みんな素直でいい子です。懸命にミット打ちをする姿を見ていると切なくなって、ぎゅっと抱きしめたくなることもあります。子どもたちが心から笑えるきっかけになればと思っています。