北海道新聞(夕刊) 2011年(平成23年)1月27日(木曜日)
あきらめないその先に笑顔
元プロボクサー坂本さん講演
自身の生い立ちなどを語る坂本さん
【厚沢部】町PTA連合会の研究大会が23日、町民交流センターで開かれ、元プロボクサーの坂本博之さん(40)が講演した。児童養護施設で育ち、4度にわたり世界タイトルに挑んだ元日本、東洋太平洋ライト級チャンピオンは「あきらめなければ、その先に必ず笑顔がある」と語った。(杉野剛通言員)
坂本さんは福岡県出身。現在はボクシングジム会長を務めながら「こころの青空基金」を主宰し、児童養護施設などにいる子供たちを支援する活動を行っている。
坂本さんは「僕は運命を信じない絶望を希望に変えていく過程」と題して、幼少期に預けられた親戚の家で受けた虐待や児童養護施設での生活、プロボクサーを目指したきっかけなどを話した。
「結果的には4度の世界タイトル戦には失敗したが、あきらめなければその先に必ず笑顔がある。児童養護施設の子どもたちの応援が自分を支えてくれた」と振り返った。また「熱を持って接すれば、熱を持って返ってくる。今を熱く生きてください」と語りかけ、
150人の聴衆から拍手が送られた。
講演後の質疑で、全国で流行しているタイガーマスク現象について「強い者が弱い者を支えるのは当然。プームではなく、継続してくれることを望む」と答えていた。
施設の生い立ち、世界戦など熱く 厚沢部